428日「寒桜の恋・旗本絵師描留め帳」小笠原京 20003月発行 ★★★

 「旗本絵師描留め帳」がシリーズとして発売されたのは、15年前(1994)だった。それが二年後(1996)第4巻まで出してピタッと止まってしまった。筆者は某大学の教授とのこと、何かの都合で中止にでもなったのかと、その後チェックもしていなかったら、出版社を変えて2000年に復活していた。女性の筆者らしく、四季の移り変わり、身につける服装、食べ物等に細かい気遣いが見られる。内容は1世代前の捕物帳だが心は和む。

426日「見習い用心棒・本所剣客長屋」押川国秋 200810月発行 ★

 またしても、つまらない小説に当たってしまった。主人公が煮え切らないのは、キャラとしてまだ良いのだが、筋書きそのものが、ダラダラとどこまでも続く。その内に、緊張感が走るのかと思っていたら、突然に終わってしまった。あとがきに作者いわく「主人公・孫谷兵六がどう生きて行くのか、興味津々である」。バカかお前は! 作者は映画やテレビの時代劇脚本家上がりで7年前に時代小説作家に転向、いきなり時代小説ナントカ賞を受賞し期待された作家の筈が、何でこんな小説を書くのだろうか。

421日「ジェネラル・ルージュの凱旋」海道尊 20074月発行 ★★★★★

 お馴染み海道尊の医学ミステリー。チーム・バチスタに続きテレビドラマとして放映されたのでご存知の方も多いと思う。御待ちかね厚生労働省の火喰い鳥・白鳥の登場は物語の3分の2過ぎである。今回の主役は救命救急センター部長の速水晃一で、特定業者との癒着の告発内部文書が発端となり、万年講師・田口幸平に調査の命が下る。本当に海道尊は現役の医師なのだろうか。読み出したら止まらない面白さ、久しぶりの一気読み。

415日「私立探偵・麻生龍太郎」 柴田よしき 20092月発行★★★★

 柴田よしきの本を始めて読んだのは15年位前の「RIKO・女神の永遠」で、鮮烈なショックを受けた作品だった。以後、女刑事・緑子(リコ)の大フアンとなり、2作、3作とシリーズは必ず読んできた。当時は、この麻生龍太郎は先輩刑事の一人としての作中人物だったが、今回主人公として独立を果す。しかし待っていた緑子の登場は最後まで無く、ちょっと寂しかったが、麻生龍太郎シリーズもこれはこれで面白く、読んでいこう。

44日「定年影奉行仕置控・幕末大江戸けもの道」葉治英哉 200710月発行 ★★★
 タイトルやサブタイトルの物々しさに惹かれて読む気になった。初めに登場人物の紹介が延々と続く、しかも普段は使われたことも無い様な、難解な漢字や四字熟語を多用し、辛抱強い読者向けだ。内容は旗本とつるんで悪事を働く町奉行所の与力、同心とそのおこぼれに与る十手持ちたちを懲らしめ、隠居後の鬱憤をはらす、もと吟味与力とその仲間たちの話。風野真知雄の「大江戸定年組」と発想は同じ。発行は向こうが先輩だし、かなりシリーズも進んでいる。この文体で読者が掴めるか、ライバル追いつけるのか、難しいところだ。

41日「女優仕掛人」 新堂冬樹 20091月発行 ★★

この本の紹介にノワール小説とある。ノワール小説と犯罪人、極悪人が主役になる悪徳小説、暗黒小説のことだ。女優とマネージャーが芸能界を勝ち進むために。手段を選ばないで暗躍するという内容だが、この手の小説を好む読者も居るかもしれないが、私向きではない。

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